日本秘湯を守る会は秘湯と呼ばれるお宿が集まって創立された旅館組合の名前。加盟しているお宿に泊まるとスタンプ帳にスタンプがひとつもらえて、10個たまると10軒のうち好きなお宿に無料で1泊泊まれる仕組みです。このサイトでは200軒近くある全国の加盟旅館の中でも特におすすめのお宿をご紹介します。

崖の湯温泉 薬師平 茜宿

北アルプスの山並みと
松本平をのぞむ「天空の秘湯」

諏訪湖の北、松本平を望む高ボッチ山麓にあります。「崖の湯」という名前は鎌倉時代に崖崩れにより湧出したという伝説が由来だそうです。 ロビーやお部屋からは北アルプスの山々が一望できなかなかの迫力。槍ヶ岳や穂高岳に夕日が沈むと、今度は松本の夜景がキラキラときらめく様が見えます。まさに「天空の秘湯」といっても過言ではないでしょう。

黒光りする床が歴史を物語る
古民家を移築した建物

建物はすべてがそうではないのですが、ロビーや食事処は合掌造の古民家を移築した建物が使われていて、インテリアも民芸風のしつらえです。法師温泉長寿館湯元長座のような…というと言い過ぎかもしれませんが、そっち系を意識されているのだと思います。玄関にあるアールデコ調のステンドグラスランプもおしゃれです。


部屋からも松本平を一望できる絶景!
しかし、思わぬトラップも・・・

本館というのか、旧館というのか、木造の方の和室です。行ったのが晩秋の暖かい日だったせいか、日当たりの良い窓際にたくさんのカメムシとてんとう虫が集まっていました。
案内してくれたおかみさんが掃除機で一掃してくれました。どうやら午前中に一掃したのにまた夕方までにどこからともなく集まってくるそうです。
夜になって部屋が冷えれば来なくなる、とのことですが、木造ならではのことなのでしょうか。確かにその後夜までどこからともなく虫たちがコンニチワでした。

部屋自体はそんな感じでよくある和室アンド窓際スペース、トイレ付きです。部屋からもロビーと同様の眺めが楽しめます。


日本秘湯を守る会の加盟旅館の中でも
一二を争う(?)絶景露天風呂

内湯と露天風呂のセットで、男女ほぼ同じ作りのためか時間による入れ替えはありません。 お湯は適温、特に眺めの良い露天風呂は最高です。視界を遮る立ち木やついたてなどがないので、ものすごい開放感。ここまで眺めのよい露天風呂はなかなかないです。絶景露天風呂、と言って間違いないでしょう。
お湯自体は色や匂いなどこれといった特徴はありません。


日が暮れると北アルプスの絶景から一転、
眼下には松本平の夜景が!

日が暮れて暗くなってくると、部屋の窓からも夜景が楽しめます。カメムシ問題はありつつも、やはりこの絶景は何物にも代えがたい魅力です。市街地から比較的近いのに高度が高いという絶妙な立地がなせる眺望です。

さて、夕食は別棟にある合掌造のお食事処でとります。この建物はなかなか立派で昔話に出てくる囲炉裏のある山の家、という感じ。食後に階段を上った二階をのぞかせてもらったのですが、雰囲気あってよかったです。


夕食は地元信州の食材を生かした
信州牛のすき焼きとお蕎麦

薬師平茜宿の夕食のハイライトは何といっても信州牛です。適度にサシが入ったすっごい肉がどーんとすき焼き鍋に入っていてテンションがあがりました。
信州だけあってお蕎麦もおいしくて、全体的にレベルは高いと思うのですが、個人的には「すき焼きでごはんをもりもり食べたい派」なので、ごはんが最後に味噌汁とともに出てくる方式だったのが少し残念でした。おひつごはんがどかっと出てくる方式ならパーフェクト。


なんということでしょう・・・!
早朝、窓の外は一面の雲海

翌朝、早起きして朝風呂に行こうとロビーを通りかかったら、外の様子が昨日とは違います。気になってふと見てみると、なんと眼下には雲海が広がっています。

昨夜は夜景が見えていた松本平が雲に覆われ、はるか遠くには青空に映える北アルプス。北海道のトマムには「雲海テラス」なんてのがありますが、雲海を眺めながら露天風呂に入れるお宿はそうないのではないでしょうか。

もちろん気温や湿度など諸条件が揃った超ラッキーなタイミングだったのでしょうが、雲海が見えるなら、もっと「天空の秘湯」をプッシュすればいいのに…と老婆心ながら思ったりしました。


朝食も合掌造りの古民家で
お米とおかずの昔ながらの朝ごはん

朝食も夕食と同じく古民家を移築した食事処にて。塩鮭に味噌汁というスタンダードなメニューですが、信州っぽい小鉢が並びごはんが進みます。

ごはんはおひつに入ってテーブルに置かれているパターンですが、おひつに盛られたごはんが一人1.5杯分ぐらいしか入っておらず、もりもりおかわりとはいかない分量。まあ、1.5杯食べれば十分でしょと言われればそれまでですが、何といいましょうか、残量を気にせずごはんを食べる安心感みたいな部分で、ブレーキがかかってしまうのが少し残念でした。


薬師平 茜宿に泊まったら
翌日は高ボッチ観光がおすすめ

前述のとおり、崖の湯温泉は高ボッチ高原の山麓にあるので、少々ハードな山道ではありますが、車で高ボッチ高原まで行くことができます。がっつり登山のイメージもありますが、実は山頂近くまで車で行けるので、温泉帰りでも気軽に立ち寄れます。

【感想】
とにかく眺望抜群。観光地は多いし、宿の人は親切でご飯も満足。ただ、惜しむらくはカメムシでした・・。これは季節の問題なので別のシーズンに行けば普通に快適なはず。

秘湯スタンプで無料宿泊したい度:★★☆☆☆

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